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○1911『メアリー・ブレア ある芸術家の燦きと、その作品』○

『メアリー・ブレア ある芸術家の燦きと、その作品』
著者名:ジョン・ケインメーカー(著)那波かおり(訳)
出版社:岩波書店 文責 美術 木村顕彦

 本書によって、私はメアリー・ブレア(1911-1978)という画家の名前を初めて知った。
 本書は彼女の作品集である。
 メアリー・ブレアは、アニメーションのウォルト・ディズニーのスタジオでの勤務経験がある。だが、彼女はアニメーターではない。
 彼女が手掛けた仕事は、「コンセプト・アート」と呼ばれるものだった。
 ディズニーのアニメーション作品の制作に先駆けて、作品全体のイメージを決定づける、いわゆるイメージ画。それがコンセプト・アートである。それを何枚も描くのが彼女の仕事だった。
 その絵は、アニメーションと別に見ても鑑賞に堪えうる、極めて素晴らしい芸術作品である。
 色彩、かたち。見る者の想像をかき立てる構図。・・・そういった意味で私は、ディズニー映画そのものの絵柄よりもメアリー・ブレアの絵の方が好きである。
 「もしかしたら、彼女(木村註・メアリー・ブレアのこと)は今後スタジオ内で自分がどう役立てるのかに確信のある答えを見いだせず、退社(木村註・ウォルトディズニー社を退職したことを指す)を決めたのかもしれない。」
 そんな記述が本書にはある。
 それは、次のような記述に見られるようなことを受けての事だった。以下引用。
 「ウォルト・ディズニーはメアリーの芸術性を愛し、スタジオ内で高く評価し、重用した」一方で、「スタジオの他のメンバーは、彼女の作品に抵抗を感じた。あるアニメーターはこう訴えた。『ウォルトは彼女のスタイリングを映画に取り入れてほしいと言ったが、そんなことは無理だ。彼女の作品はすごく平面的なんだ!』。」
 アニメーターではなく、あくまでイメージを伝える役割としてディズニースタジオに雇われていたメアリーは、きっと肩身の狭い思いをしていたことだろう。
 さて、メアリーはその後、ディズニーの娯楽施設の巨大陶板壁画を多く手掛ける。だが、そのように彼女の才能が、状況に適した形で発揮されるまでには、ディズニースタジオ退社後、約10年の歳月を要したことが、本書をお読みいただけたらわかるはずだ。
 今述べた箇所に関しては組織論として読めるかもしれない。
 加えて、メアリー・ブレアとリー・ブレア夫妻が、二人揃ってアルコール依存症にかかる晩年についての記述があり、それも見逃せない。
 ただ、美しい画が掲載されている作品集だと思って手に取った本書。だが、単なる作品集以上に教わることの多い一冊だった。
 
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