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○1927『震災と芸能 地域再生の原動力』○

『震災と芸能 地域再生の原動力』
著者名:橋本裕之 出版社:追手門学院大学出版会
文責 美術 木村顕彦

 岩手県沿岸部の民俗芸能である鵜住居虎舞(うのすまいとらまい)や鵜鳥神楽(うのとりかぐら)などなど。
 それらの芸能は、2011年の東日本大震災による多大な被害により、再開が危ぶまれた。
 お金の問題。人の問題。
 地域に住む人たちが、生活を再建していくだけでも精一杯の状態でありながら、岩手県沿岸部に住む彼らは、自分たちの民俗芸能とどう向き合ったのか。震災後およそ4年間の記録が、本書で綴られている。
 著者は橋本裕之(1961-)。彼は、現在は追手門学院大学の教授だが、東日本大震災当時には岩手県の盛岡大学教授だったこともあり、被災した民俗芸能団体の支援と調査を行なっていた。本書は、彼が学会誌や講演によって発表した内容を一冊にまとめたもので、内容に若干の重複が見られるが、岩手県沿岸部の民俗芸能の復興についてより詳しく知ることができる。
 個人的には、ここ数年、民俗学関係の写真集を見ながら、神楽というものの存在が気になっていたこともあり、本書を手に取った。加えて、画家・飯坂真紀による本書カバー画の魅力も大きい。飯坂は、民俗芸能の雑誌『とりら』の編集長でもあり、本書文中にもたびたびその名前が登場するので、その点も楽しみながら読んでいただきたい。
 最後に、震災時において、岩手県に住む女性の、神楽にまるわる不思議な体験についての箇所を引用紹介したい。
 「震災の2日前に、私はたしか津波が来た境界線のあたりで鵜鳥神楽の人たちが神楽を舞っている夢を見ました。その日、90歳の祖母ちゃんに神楽の夢を見たというのです。台所に行って母にそのことをいったら、三世代が同じ日に鵜鳥神楽の夢を見ていました。すごく胸騒ぎがして神楽衆の人にメールをしたら、大丈夫、鵜鳥さんが守ってくれるからいいことあるから信じていて、という返信をもらったのです。(改行)その2日後に震災に遭いました。夢を見た3人は波をひとつもかぶることなく無事だったのですけど、夢を見なかったうちの父親と旦那は波にのまれていました。」
 地域における芸能の意義について考える機会を与えてくれる一冊だ。 
 
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