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○1935『色川大吉歴史論集 近代の光と闇』○

『色川大吉歴史論集 近代の光と闇』
著者名:色川大吉 出版社:日本経済評論社 文責 美術 木村顕彦

 以前、この書評の場で紹介した『色川大吉人物論集 めぐりあったひとびと』(日本経済評論社刊)。
 その巻末に本書の広告が掲載されていたことにより、興味が湧く。
 さて、そんな本書には宮澤賢治とその友人・保阪嘉内のことが書かれている。
 私は、2015年に岩手県立美術館において、保阪嘉内宛ての宮澤賢治書簡を鑑賞して以来、嘉内と賢治についての書籍がないかと探していたところに出会ったのが本書だった(下世話ながら、その書簡数10通は、某鑑定番組において1億8000万円の値がついたものである)。
 宮澤賢治・保阪嘉内の論考を進めながら、「近代の光と闇」という壮大なテーマに話が及んでいく。
 そして保阪嘉内について書かれた文章の中で、保阪嘉内と同郷・甲斐の林清継という作家についての論考が登場。それを読んでいるうちに林清継にも興味が出てくる。
 本書によると林は、三里塚三部作(『突風』『三里塚』『山塞に漂う』)大作小説を遺しているらしい。なんとも気になる。
 そうかと思うと、「敗戦と青春」という章においては、最近私がこの書評で取り上げた江成常夫の写真集『鬼哭の島』についての文章が載っていたりと、なんだか不思議と自分の興味の方向に話が進んでいく。
 また、読んでいて刺激的だったのは「六人の歴史学者」という章の「網野善彦と『網野史学』」と題された文章だ。
 網野の文章を引用しながら、色川が論考を進めた、ある箇所には次のようにある。
 「(略)『百姓は農民ではない』という、思いこみの強い一人の中世史家が、複雑な近代国家の権力者たちの政策や『心性』を単純化しすぎた粗雑な認識であり、誤りであると私は思う。」
 同じ歴史家として、色川が、理論的に網野史学について論じ、そしてある意味では批判をしているその文章は、ぜひ実際に読んでいただきたい。
 「保阪嘉内」「三里塚」「江成常夫」「網野史学」・・・などなど、いちいちそれを説明していたら大変なので、かなりはしょった説明になってしまったが、ともあれ濃密で、刺激的な一冊だ。

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