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○1985『菅江真澄と旅する 東北遊覧紀行』○

 『菅江真澄と旅する 東北遊覧紀行』
著者名:安水稔和 出版社:平凡社 文責 美術 木村顕彦

 本書は平凡社新書の一冊だ。
 テーマは、菅江真澄(1754-1829)。江戸時代の国文学者、旅行家。
 本書冒頭に、次のような記述がある。
 「菅江真澄という人物についてほとんどの人が知らないと思う。真澄という名前を聞いて女性だと思う人もいるようだが、れっきとした男性である。」
 本書を手に取る人ならば、菅江真澄を知っているとは思うのだが。一般に認知されていないというのはわかる。
 菅江は三河(現在の愛知県豊橋市)の出身だ。だが、出身地よりもむしろ、晩年を過ごしたと言われている秋田県にゆかりの深い人物だ。それは、現在、秋田市にある秋田県立博物館内には「菅江真澄資料センター」があることからもわかる。
 ちなみに、菅江真澄資料センターは入場無料。レプリカながら、菅江の遺した紀行文や和綴じのスケッチにより、彼の業績を知ることができる(同じく秋田県立博物館で菅江真澄展が開催された時、私もその展覧会を鑑賞したのだが、そこではレプリカではなく実物を見ることができた)。
 さて、そこで本書だ。
 著者は、安水稔和(1931-)。詩集のほか、菅江真澄に関する著作を世に送り出している人物だ。
 本書は、その安水が、菅江が巡ったであろう場所を、追体験として訪れた記録集だ。
 菅江は、私の住む青森県も周っている。それゆえ本書には、私自身にも馴染みの深い地名が登場し、なかなか面白い。
 著者の安水が、津軽半島を一周した時の記述に、次のようなものがある。以下、引用紹介(青森県の小湊に引き返し、コーヒーが飲みたくなって、地元の喫茶店に入った時のこと)。
 「(略)座りにくい椅子に座って、注文。出てきたのは持ちにくいカップと混ぜにくいスプーン。ぬるいコーヒーを時間をかけてゆっくりと飲む。旅のおわりという感じ。」
 ・・・「旅のおわりという感じ」なんだか、おわってる旅という感じなんだか。旅をしていると、時折あらわれるトホホ感を楽しむ余裕が、安水にはある。逆に言うと、それが出来なければ菅江真澄に惹かれることもない。
 その他、文中「菅江真澄の名は、貴重な民俗資料の記録者としてだけでなく、異色の素朴派画家としても登録されるべきだと私は思う」という、辻惟雄(美術史家)による記述には、私も同感。
 菅江真澄についての入門書として最適の一冊だ。 
学校所在地
036-8124               青森県弘前市石川長者森61-1  東奥義塾高等学校 TEL:0172-92-4111 FAX:0172-92-4116

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