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○1994『鴨居玲 死を見つめる男』○

 『鴨居玲 死を見つめる男』
著者名:長谷川智恵子 出版社:講談社 文責 美術 木村顕彦

 鴨居玲(1928-1985)。画家。スペインの酔っ払い、道化師、自画像・・・それらをモチーフにし、卓越したデッサン力で、数々の名作を残した。
 本書は、鴨居玲の評伝である。著者は、長谷川智恵子(1944-)。著者である彼女自身、鴨居とゆかりが深かった日動画廊の代表取締副社長ということもあり、本書は評伝でありながらも対象人物(鴨居玲)との距離感が極めて近い。
 「鴨居は何でも描けるが、油彩画では『自分の絵』にすることにこだわる人であった。ただ巧みなデッサンだけでは師匠の宮本三郎と同じになると言っていた。」
 「(略)鴨居は早くから、キリストの『最後の晩餐』を描きたいと大きい長方形のテーブルを買っていた。」
 通読して、以上の記述などから、画家というのはただデッサン力があるだけでは成立しないものだということを思い知らされる。加えて、日動画廊からの援助についての記述を読み、画家の哀しい性を感じた。
 また、読んでいて、おっと思ったのは文中にデヴィ夫人が登場する点だ。著者の長谷川が、鴨居と一緒にデヴィ夫人の自宅に行ったという流れでの記述。まさか鴨居からすると、そのデヴィ・スカルノ夫人が、自分の死後20年ほどしてからテレビのバラエティ番組に出ることなど、予想もしなかったことだろう。
 ちなみに、鴨居の死因は自殺だ。鴨居の自殺願望について本書には次のようにある。
 「一般に自殺をする人は、自分の人生に絶望し、生きていく気力を失い絶望の果てに自殺をするのだと思う。鴨居の場合は違った。個展の作品が出来上がった時、満足のいく作品が仕上がった時に自殺願望が湧き上がった。」
 こういった点は、評伝を読まなければ知りえない事である。鴨居が、最後に本当に自殺をした時にはそれと同じ心境だったかは、どこまでいっても不明だが、少なくとも鴨居玲という画家を知る手掛かりにはなる。
 2015年は、鴨居玲没後30年の節目の年。東京ステーションギャラリーでの回顧展は全国各地を巡回する。その展覧会と併せて多くの人に読んでいただきたい一冊だ。
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