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○2010『日本の写真家36 中平卓馬』○

『日本の写真家36 中平卓馬』
著者名:中平卓馬 出版社:岩波書店 文責 美術 木村顕彦

 中平卓馬(1938-2015)。写真家。
 2015年9月、彼の訃報に接する。
 私は、美術の授業での冒頭、中平卓馬という写真家と、その死について、生徒に対して少しだけ話をした。
 中平卓馬を知る生徒がいないことは、承知の上。ただ、そういう写真家がいたことを伝えたかったのである。
 そののち、中平の仕事を振り返る意味で、本書を手に取る。
 岩波書店の「日本の写真家」シリーズは、日本を代表する写真家たちの作品がコンパクトにまとまっているシリーズだ。
 各巻、それぞれの写真家のベスト版と言えよう。
 そんなシリーズの、「36 中平卓馬」の巻。つまり本書。ここには、代表作「横浜」(1967年頃撮影)はじめ、ざらざらとした質感のモノクロ写真が並ぶ。ブレ・ボケを意図的に組み込んだそれらの写真群は、どれもが鋭い。本書序文において、飯沢耕太郎(写真評論家)は「砕け散ったガラスの破片のような危うい緊張感」という表現を用いて、この時期の中平を評している。
 しかしながら、本書収録の目次を見て、多くの人は気付くだろう。
 本書に収録されている写真は、1970年までに撮影されたものだということに(ちなみに、本書刊行は1999年)。
 実は、1973年、彼は「『事物が事物であること』のみを提示する『植物図鑑』としての写真をめざすことを宣言」(本書見返しの、解説文より)、新たな作品世界を展開させようとしながらも1977年、急性アルコール中毒で倒れ、記憶を失うというアクシデントに見舞われる。そんなアクシデントを経ても、彼は写真を撮り続ける。記憶を失う以前とは、作風が変わろうとも。・・・そして、2015年の死。
 中平卓馬の全貌、という意味では、本書一冊だけでは、初期の彼の仕事しか知りえないだろう。
 もし本書を手に取って興味を覚えた方は、1973年以降、そして1977年以降の彼の仕事にも注目していただきたい。
 
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