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○2019『村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」をどう読むか』○

『村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」をどう読むか』
著者名:河出書房新社(編) 出版社:河出書房新社
文責 美術 木村顕彦

 村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋社・刊)という小説がある。2013年の話題をさらったベストセラー小説だ。
 実は、私は、村上春樹の小説は、これまで一冊たりとも読了したことがなかった。
 その私が、初めて一冊まるごと読むことが出来た彼の小説が『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』だった。(タイトルが長いので、以下、『多崎つくる』と記す。そして、後述するが、その小説について論じた本書については「本書」と記す)
 彼のエッセイ(例えば『雑文集』)やノンフィクション(例えば『アンダーグラウンド』)については読めるのだが、小説となるとどうも。手には取るのだが、世界観についていけず読むのに挫折、というのの繰り返し。『1Q84』その他の小説が、巷の話題となっている時も、なかなか読む気になれず、世の中から取り残された感覚になっていた。
 そんな私だが、『多崎つくる』に関してはすんなりと読むことができた。 
 不思議な内容。解決しないままに終わってしまう挿話。などなど、思うことはあったが、総じて、面白く読めた。自分にとっては、村上春樹の小説に対して、そう思えただけで十分の収穫だった。(アカ、シロ、アオなど、登場人物名がわかりやすいので読みやすかったというのもある)
 主人公の多崎つくるほどではないが、誰しも(私だけかもしれないが)、かつて仲の良かった友人と疎遠になることはあるし、あるタイミングでそれを和解できる場合もある。その部分に対して興味を掘り下げながら私は読んだ。
 さて、以上のように、『多崎つくる』を面白く読んだのはいいのだが、その次に出会ったのが本書である。
 『多崎つくる』をどう読むか。本書表紙には29名の名前が掲載されている。岡崎武志ほか、文芸評論家やライターの名前が並ぶ。
 執筆陣は、小説『多崎つくる』を肯定的に捉えている人、否定的に捉えている人、深読みしている人など、様々だ。
 「最後につくるが行こうかと思う『松本』がシロの殺された『浜松』と『松』つながりになっているところなども意味深です。」(加藤典洋)
 「灰田自体、ぜんぶ多崎つくるの妄想ではないかという説もあるけどね。灰田は他の人とほぼ会ってないし。」(大森望) 
 「この『クロノ』という名前は様々なことを想起させる。Chronoは『時間』を想起する。(略)『白根』は、音として『シラネ』を想起させる。(以下略)」(藤田直哉)
 ・・・などなど。小説『多崎つくる』を一読しただけでわかったつもりになっていたが、どうやらいくらでも深読みできる作品らしい。恐るべし、村上春樹。そして、村上春樹ファン。そしてそして、アンチ村上春樹の人たち。 
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