ToO Gijuku Topics(東奥義塾)
東奥義塾高等学校 公式ブログ

○2069『とこしえのお嬢さん 記憶のなかの人』○

『とこしえのお嬢さん 記憶のなかの人』
著者名:野見山暁治 出版社:平凡社 文責 美術 木村顕彦

 野見山暁治(1920-)。画家。
 彼は『400字のデッサン』(河出文庫)ほか多くのエッセイ集を世に送り出しているエッセイストでもある。本書もその一冊だ。 
 副題からもわかるように、本書にまとめられているのは、野見山と交流のあった「記憶のなかの人」たちである。
 パリ生活における風間完(1919-2003)や東京藝大教授時代における小磯良平(1903-1988)との交流はわかるにしても、本書には岡本太郎(1911-1996)や坂本繁二郎(1882-1969)との思い出も語られているのが興味深い。
 だが、著名画家との交流の記録ばかりではない。
 佐々木四郎(1919-1945)という人物との思い出を綴った「ある同級生―佐々木四郎」の章が特に印象的だ。
 佐々木は、私(木村)の住む青森県弘前市の出身。彼は戦没画学生である。
 そして彼は、野見山とは東京美術学校時代の同級生だった。
 「戦争が終って20年目、ぼく(木村註・野見山のこと)は戦没画学生の消息を尋ねて歩き、雪の降る弘前に立ち寄った。あんなにも描きつづけた佐々木の絵が見たい。」(本文より)
 本書ではそんな風に、佐々木四郎との思い出が語られている(ちなみに、野見山が戦没画学生の絵の消息を尋ね歩いた記録は『祈りの画集―戦没画学生の記録』《日本放送出版協会・刊》という書籍にまとめられている)。
 さて、しかしながら、本書はしんみりとした記述ばかりではない。
 巻末にある、講演会(2014年・ニューオータニ美術館)の再録ページは、くだけた内容だ。会場からの質問コーナーが特に面白い。以下引用紹介。
 「(略)よく『上からおりてくる』瞬間があると、作家や画家や音楽家の方などが言うのを聞きます。描いていて無我の境地のとき、そういう感覚になられたことはありますか?」(会場からの質問)
 それに対する野見山の答え…「ない。無我もない。」
 加えて、本書巻頭には野見山の代表作絵画がカラー図版で紹介されているので、そちらも見逃せない。野見山暁治の魅力が詰まったエッセイ集である。
 
最新記事
学校所在地
036-8124               青森県弘前市石川長者森61-1  東奥義塾高等学校 TEL:0172-92-4111 FAX:0172-92-4116

東奥義塾

Author:東奥義塾

AKB48の渡辺麻友の3rdシングル特典DVDに本校制服が!!

この公式ブログが「あおもりICTコンテスト2010(学校Webサイト部門)」で「最優秀賞」!!

東奥義塾個人情報保護方針→こちら

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

07月 | 2017年08月 | 09月
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -