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○2071『ぼくのつくった書体の話 活字と写植、そして小塚書体のデザイン』○

『ぼくのつくった書体の話 活字と写植、
そして小塚書体のデザイン』
著者名:小塚昌彦 出版社:グラフィック社
文責 美術 木村顕彦

 2015年11月22日、盛岡市にある岩手県立美術館で、私はとある講演を聴いた。 
 講師は、鳥海修(1955-)。初めて聞く名前だった。
 配布された資料には、「書体を作る職人」とある。そして、講演タイトルは「『日本人にとって文字は水であり米である』とは」。
 ただ絵を見に行った美術館で、偶然その講演の存在を知って椅子に座った私には、何がなんだかわからなかった。
 事前にはどんな内容かも知らないままに講演を聴く。だが、その話を聞いているうちに、これはすごい世界の話だ、と思い始める。
 …かいつまんで説明すると。   
 普段パソコンや新聞、本などで印刷されている何種類もの文字の原版は、誰かが手描きで書いているということ。…その数、一つの書体につき、大体23000ほど。そして、その文字原版づくりが鳥海氏の仕事だということである(まず明朝体やゴシック体という、大まかな様式がある。さらにそれらを細かく、線の太さや、線同士の間隔などを微調整しながら、ちょっとずつ違うフォントが生まれ続けているというわけだ)。
 そういう仕事をしている人がこの世にいるということに、私は大きく感動したのだった。
 さて、その講演の中で鳥海氏は、先述した講演タイトルの中にある「日本人にとって文字は水であり米である」という言葉が、ある人物からの引用だと明かした。
 それは、小塚昌彦(1929-)という人物の言葉だった。
 小塚、そして文字、ときいて、パソコンでのフォントを日常使用している方ならばピンとくるかもしれない。
 「小塚明朝」や「小塚ゴシック」をつくった人物である。
 さて、前置きが長くなったが、そこで本書だ。
 本書は、その小塚昌彦の著作である。
 「1947年、毎日新聞社に入社。金属活字の鋳造、ベントン彫刻機用の原図制作など、活字書体の開発に携わる。(略)1984年に定年退職。(略)1992年アドビシステムズの日本語タイポグラフィディレクターに就任。小塚明朝・小塚ゴシックを制作した。」(巻末の略歴による)
 本書では、そんな彼の仕事を辿りながら、活字や書体の深い世界が綴られている一冊だ。
 あまりに深い世界で、とても私が書評をできるようなものではない。ただただ、圧巻である。
 最後に、恐らく多くの人が疑問に思われることについて、小塚自身が答えているので、それを引用紹介したい。
 「(木村註・毎日新聞社に)見学に来た人から『何万字も書いていて、よく飽きませんね』と聞かれることも多かったのですが、私自身はまったく飽きることはありませんでした。文字というものは、一文字一文字が一つの宇宙のように感じることがあり、いかようにも変化してとらえることができました。端から見れば同じ作業の繰り返しかもしれませんが、それとは違う感覚で、自分の仕事をとらえていたように思います。」
 活版印刷から写植、そしてデジタルと世の中が移行しても、決して途絶えさせてはいけないものがあることを多くの人に知っていただきたい。
 
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