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○2073『アイテムで読み解く西洋絵画』○

『アイテムで読み解く西洋絵画』
著者名:佐藤晃子 出版社:山川出版社 文責 美術 木村顕彦

 美術作品は、予備知識なしで自由に見たほうがいいのか?
 それとも、解説を見たり聞いたりした上で鑑賞した方が楽しめるのか?それは美術における、永遠のテーマであろう。
 予備知識なしで作品を楽しむことが出来れば、それに越したことはない。
 だが、美術には、自由に観るばかりではない深い魅力があることも確かだ。
 さて、そこで紹介したいのがイコノグラフィー(図像学)という学問である。美術に馴染みの少ない方は耳にしたことがない言葉かもしれない。
 それは、ある作品の画面に登場する事物には、それぞれこういう意味がありますということを研究する学問である。主に、18世紀頃までの宗教画や静物画が研究対象だ。
 専門家向けとも言える、そんな図像学という学問を、初心者向けにわかりやすく書いた本はないだろうか?そう思い、私は以前から探していた。
 そんな時に出会ったのが本書。初心者向けの、図像学の本である。
 何より、タイトルにある「アイテムで読み解く」という言葉がわかりやすい。
 ページごとに付された事物の名前(例えば「葡萄」とか「豚」とか「天秤」といった単語)。そしてそれらが宗教画や静物画においてどういう象徴として描かれているかが解説されており、事典形式で調べられるのも魅力だ。しかも、文字ばかりでなくカラー写真図版によって実例の絵画作品が掲載されているのも嬉しい。
 例えば、「梯子」には架け橋という意味があるという解説があった上で、その実例として「ルーベンス《キリスト降架》1611~14」他の作品についての説明、という具合だ。
 しかしながら、象徴として描かれたものには、相反する二つの意味があるということも強調したい。
 例えば、本書に登場する「犬」と「糸杉」。
 「犬」は「神や君主への忠誠、夫婦の貞節のシンボルとしてよく描かれました。その一方で、忠誠と裏切りは表裏一体であることから、嫉妬や悪徳といったよくない意味でも描かれることがあります。」とある(それゆえ、ティツィアーノ《最後の晩餐》(16世紀)では、弟子ユダの近くに犬が描かれている。)。
 「糸杉」は「常緑樹の糸杉は、永遠の命の象徴であると同時に、伐り倒されると二度と目が出ないと信じられたことから、死と関連づけられた木でした。」とある。
 つまり、「犬」で言えば、忠誠と裏切り。「糸杉」であれば、永遠の命、と死という風に、それぞれ真逆の意味があるというのである。
 そうなってくると、絵の読み解きというのはまたややこしいかもしれない。
 しかしながら、個人的には、美術に興味のある方ならきっと楽しめるだろうと太鼓判を押せる一冊だ。
 
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