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○2076『マンガの深読み、大人読み』○

『マンガの深読み、大人読み』
著者名:夏目房之介 出版社:光文社 文責 美術 木村顕彦

 本書は、光文社知恵の森文庫の一冊である。
 著者は、多くのマンガ評論で知られる夏目房之介(1950-)。本書もそれ(マンガ評論集)だ。
 本文は三部構成となっている。
 「1部 マンガ読みの快楽」は、手塚治虫(1928-1989)、鳥山明(1955-)、ねこぢる(1967-1998)、永井豪(1945-)など漫画家各氏の作品や江戸時代の黄表紙(!)について論じられた章。
 「2部 『あしたのジョー』&『巨人の星』徹底分析」は、その名の通り、マンガ史に燦然と輝く二つの名作について論じられた章。それぞれの作者であるちばてつや(1939-)と川崎のぼる(1941-)へのインタビューが収録されているのは嬉しい。
 そして「3部 海の向こうから読むマンガ」は、海外における日本マンガの位置づけと扱いについて論じられている章。
 通読して、私が最も興味深く読んだのは、なんと言っても第2部である。
 それを読めば、『あしたのジョー』という作品が、いかに革新的だったかがよくわかる。例えば、次のような記述がある。
 「当時、毎週1ラウンドのペースで200ページ以上にわたって戦い続けたボクシング・マンガなど、少年マンガ誌上のみならず、それまでどこにもみたことがなかった。少年マンガで新書版何冊分もえんえんと試合が続くようになるのは、これ以後のことなのである。」
 ただただ長ったらしいスポーツマンガ(失礼。『あしたのジョー』の事を指しているのではない)を、現在では当然のように読んでいるが、その源流は『あしたのジョー』にあったということなのだろう。
 その他、第3部において、現在(本書刊行当時・2006年)の出版状況を踏まえつつ書かれた次の記述も印象深い。以下引用紹介。
 「しかし、不況という経済市場的な問題に対して、文芸もマンガも『いいものをつくれば売れる』などと言って

いる状況は、すでにその制度が機能しなくなりつつあることを示しているのではないか。」
 「いいものをつくれば売れる」…これは、出版業界に限らず、美術の世界の人間も、強がりのようについ口にしてしまう言葉である。自戒しなければならない。マンガ好きの人のみならず、そうでない人にも読んでいただきたい一冊だ。
 
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