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東奥義塾高等学校 公式ブログ

○2077『ぼくからみると』○

『ぼくからみると』
著者名:高木仁三郎(文)片山健(絵) 出版社:のら書店
文責 美術 木村顕彦

 高木仁三郎(1938-2000)という人物がいた。
 大学の職を辞して反原発の活動を続けた市民科学者である。
 多くの著作を遺した彼が、絵本作品に携わっていたとは知らなかった。
 それが本書である。
 あの高木仁三郎が手掛けた絵本ならば、テーマは当然、原子力についてのものかと思っていた。…が、違っていた。
 「なつやすみの あるひ」の「ひるすぎの ひょうたいけ」。それが物語の舞台だ。
 そこには、自転車に乗った「しょうちゃん」や、釣りをしている「よしくん」、そして犬が走り、池には魚がいて、空にはトンビが飛んでいる。
 何気ない日常風景。そんな一つの場面から始まる。
 だがそれから、ページをめくって展開されるのは、実は物語ではない。
 先述の人や犬、魚など、それぞれの立場(目線)から見た、最初の場面(光景)が描かれているのである。
 …「ぼくからみると」というタイトルの意味が、見えてくる。 
 そして、高木という人間の、生涯をかけて貫いた姿勢が、ここにあることに気付く。
 それは、別の視点を持つことの重要性だ。それぞれの立場の目線に立つことの重要性と言い換えても良い。
 絵を担当しているのは、片山健(1940-)。多くの絵本を手掛けているベテラン絵本作家であるが、意外にも、私は彼の描いた絵をきちんと見たのは、本書が初めてである。
 画材は油絵だろうと思う。印象派風でありながら、ずいぶんと物質感の強い画だ。画面に登場するカエルや蜂は、特に迫力がある。
 ある意味で、絵にするには一苦労だっただろうという絵本である。なぜならば、立体的に場面を捉えなければ描けない絵だからだ。最初に、場面の模型をつくってから描き始めたかどうかはわからないが、そのような努力がなければなしえないタイプの作品である。
 高木が思い描いたイメージを絵にした片山の努力にも注目したい。多くの世代に読んでいただきたい一冊だ。 
 
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