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○2096『図像学入門 疑問符で読む日本美術』○

 『図像学入門 疑問符で読む日本美術』
著者名:山本陽子 出版社:勉誠出版 文責 美術 木村顕彦

 本書は、日本美術の鑑賞入門書である。
 曼荼羅や仏像、絵巻物などなど、ジャンルに分かれた章構成。全10章からなる。
 そして、それぞれの章の中に日本美術(や中国の絵)の作品が並び、一つ一つについて見方や、作品が生まれた背景について解説されている。
 初心者向けに、とにかくわかりやすく面白く書かれている本書。
 例えば、「道釈人物画」の《寒山拾得図》(伝・周文作)について解説された、次のような文章がある。
 「なんと反応してよいのか困るのが、こういう絵だ。ぼさぼさ髪のあまりキレイじゃなさそうなこの二人、ちょっと見ただけでは年齢・性別・国籍も、どういう人なのか皆目見当がつかないし、そもそも絵自体が上手いのか下手なのか判らない。こんな絵が禅寺にもっともらしく掛かっていたり、美術館の陳列ケースに重文だの国宝だのといって並んでいたりしても、はいそうですかと素通りしたくなる。」
 そんな風に書き出しながらも、それに続く文章によってしっかりと解説をし、鑑賞のポイントを読者に伝えているから驚く。
 または、文人画について解説した、次のような文章も紹介したい。
 「文人画とは文人の描いた絵、文人というのはインテリのこと。昔の中国の士大夫という支配階級の知識人たちのことだという。プロの絵描きではないのだから、これも上手くなくて当然なわけだ。けれどもそんな偉い人たちが政治や仕事をしないで描いた絵なんかが、賞賛されてもよいのだろうか。これにはちょっと歴史的な事情が関わっている。それらの文人の多くは何もしなかったわけではなく、政争に敗れ、あるいは危機を感じでみずから身を引いてしまった、政界の負け組なのである。だから中国の文人には、どこか悲劇の主人公といった趣きがある。」
 文人画というのは、日本史の教科書でもよく耳にするが、そんな背景があったのかと、興味を覚えた内容だった。
 本書収録写真図版は全てモノクロだが、それでも十分内容は理解できる。本書をきっかけに知った作品を、美術館に見に行ってもいいかもしれない。日本美術の良さが全くわからない、という方にこそ読んでいただきたい一冊だ。
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