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東奥義塾高等学校 公式ブログ

○2144『ぼくの絵本じゃあにぃ』○

『ぼくの絵本じゃあにぃ』
著者名:荒井良二 出版社:NHK出版 文責 美術 木村顕彦

 本書はNHK出版新書の一冊。著者は、絵本作家の荒井良二(1956-)である。
 本書では、彼が絵本作家を志した契機や、絵本に対する思いが素直な言葉で語られている。
 通読してまず驚いたのは、高校時代に油絵を描いていた時に彼が思っていた事。以下引用。
 「他のみんなが(木村註・モチーフとして)選ぶのは古い建物や老人ばかり。そのことは県の美術展などに行けば一目瞭然で、真新しいビルや赤ちゃんなどを選んで描いている人はどこにもいません。なぜ、みんなはそんな古くさいものばかりを選んで描くのだろう、とぼくにはとても不思議でした。」
 このあとに続く記述がすごい。
 「でも、あるとき気がつきました。古いものや朽ちているものほど描きやすいからだ、と。」
 荒井は、高校生でその事に気付いた。
 これはとんでもないことである。高校生でそういう風に「描きやすいからだ」と考えるとは。もし私が高校の美術部の顧問で荒井少年が部員だったら、彼の才能に恐れをなすだろう。
 また、その他、創作上のエピソードも面白い。
 「以前、昔の金屏風(といっても安いもの)をいくつもインターネットのオークションで競り落として集めていて、その屏風にサンドペーパーをかけて元の金紙を削り落としてから下地を塗って、その上に描いたりしています。」
 ・・・プロはそんな事をしているのか、と感心しきり。
 そう言えば、画家の横尾忠則(1936-)もリサイクルショップから無名画家の安い油絵を買い、それに加筆をして自作として発表したこともあるとどこかで読んだ事がある。使えるモノは何でも使う。一流芸術家に共通する、単なる合理性を超えた自由奔放な発想と言えよう。
 加えて、ケニアで見た「時々一頭だけ離れている象」のエピソードも印象深かった。
 その象の存在に気付いた荒井は、旅に同行していた絵本作家のあべ弘士(1948-)にその理由を聞くと、動物園の飼育係を長年勤めた経験のあるあべは次のように語ったという。
 「人間でいうとだいたい50歳を超えたオスの象は、群れから離れていくんだ」
 その話を聞いて荒井は思う。
 「つまり、群れの仕事はもうお役御免で、あとはフリーエージェントになって一頭で旅をするわけです。」本書で荒井は、その象についてそう解釈している。 象もなかなかカッコイイ生き方をするものだ。
 そんな象をヒントに、荒井自身お気に入りのモチーフである「バス」を組み合わせて生まれた絵本作品『たいようオルガン』(2008年、偕成社刊)だと、本書を読んで初めて知り、納得。・・・そう言えば、ゾウの鼻をしたバスが主人公だ。
 絵本好きの人のほか、自由な発想について興味のある人に読んでいただきたい一冊だ。
 
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