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○0369『女の一生』

『女の一生』
著者名:モーパッサン・新庄嘉章訳 出版社:新潮文庫 文責 国語 坂本 幸博

 若くして、中・短編小説家としての地位を確立したモーパッサンの最初の長編小説である。モーパッサンの作品には、死、結婚、出産など我々が生活するうえで、避けようもなく遭遇すべきものによって、登場人物が大きく揺り動かされていく様子が巧みに描き出されているものが多い。
 この作品も前半部分において、フランス地方領主の貴族の娘ジャンヌが、本来幸せになるべき結婚によって、不幸になってしまう過程が描写されている。まず夫ジュリアンの態度の変化に不信感を募らせることになるが、その後、ジュリアンとジャンヌの乳兄弟である女中ロザリーとの密通が発覚し、信頼すべき相手二人に裏切られることになる。ロザリーはジャンヌのもとから姿を消すが、ジュリアンとの生活は続いていくことになる。
 物語中盤では、ジュリアンが近在のフールヴィル伯爵夫人と密通するが、それが夫であるフールヴィル伯爵に知られるところになり、ジュリアンと伯爵夫人は伯爵に殺されてしまうことになる。そして、未亡人となったジャンヌは、息子ポールを心のよりどころとしていくことになる。
 後半部分では、溺愛されて育ったポールが、情婦を作り、賭博で借金を重ね、18歳でロンドンへ出奔してしまう。最後の支えに裏切られたジャンヌは錯乱状態になるが、その時、かつてジャンヌの元を去っていったロザリーがジャンヌを助け、再び献身的に仕えてくれるのである。
 最後の場面では、引き取ったジュリアンの子ども(ジャンヌの孫)を膝に抱き、幸せに包まれたジャンヌにロザリーが「世の中は、思うほどよくも悪くもない」という言葉を投げかけるのである。この言葉の意味するところはいったいなんなのであろうか。
 原題「Une Vie」には「女」という語はなく、「一つの生涯」や「ある人生」とでも訳すべきものである。邦題において「女」を補ったことの意味を考えて読み進めていくと、物語の深淵をのぞき見ることができるかもしれない。


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