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○0387『広重「東海道五十三次」の秘密』

『広重「東海道五十三次」の秘密』
著者名:對中如雲 出版社:祥伝社 文責 国語 坂本幸博

 安藤広重の「東海道五十三次」を知らない人はいないであろう。葛飾北斎の「富嶽三十六景」と並ぶ浮世絵の傑作である。しかし、ある画家が描いた「東海道五十三次」にそっくりな画集があることを知っている人はどれくらいいるのであろうか。その画集とは、司馬江漢の「五十三次画帳」である。
 この二つの作品は比較してみればまさにうり二つである。数枚の作品には一致しないものも含まれるが、大部分はその細部まで同じように描かれており、片方は、もう片方を模写したものであるといわれても反論できないものである。
 では、どちらがオリジナルなのであろうか。その判断は簡単である。どちらが早く出版されているかを考えてみるとよい。そうすると、実は、「東海道五十三次」からさかのぼること三十年前に「五十三次画帳」は出版されているのである。つまり、広重は江漢の「真似」をしたということになるのである。
 ここで、広重の「東海道五十三次」の価値がなくなるのかというとそういうことではない。「東海道五十三次」と「五十三次画帳」はその描かれ方はもちろん、描かれた目的も全く違うものなのである。当該図書を読み進めていくと、そのことがとてもよく理解できるのである。そして、新たに先ほど述べた「一致しない数枚の絵」がなぜ存在するのかという新たな疑問も生じてくるのである。
 近年「パクリ」ということばをよく耳にする。いわゆる「盗作」や「剽窃」のことを指しているのであろう。大学生のレポートにもこのたぐいが多数あり「コピペ」ということばも生まれている。他者の書いたものを自身のものとして扱い、平気な顔をしているというのは、考えられないことである。論文やレポートに他者の文章を「引用」するときは、その出典を明らかにしなくてはならない。
 広重が行ったことは、こうしたものとは全く違う、いわゆる和歌の世界の「本歌取り」に近いものであるといえる。ここでは本歌取りについて詳しく述べることはしないが、「本歌を知っている」ということが教養として扱われるのである。そして、そこからさまざまな文化が生まれていったのである。
 現代社会に生きる我々はそうした先人の行いをよく考え、現代人の行動の参考としなければならない。

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