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○0429『天を衝く-秀吉に喧嘩を売った男九戸政実-』(1~3)

『天を衝く-秀吉に喧嘩を売った男九戸政実-』(1~3)
著者名:高橋克彦 出版社:講談社文庫 文責 国語 坂本幸博

 1591年、辺境である陸奥の地の九戸城を六万五千の軍勢が包囲していた。総大将は会津に120万石の所領をかかえる蒲生氏郷、総奉行に豊臣秀吉の縁戚であり懐刀とよばれる浅野長政である。他、参陣したものは徳川家康の名代として徳川四天王の一人、「井伊の赤備え」で有名な勇将井伊直政などなど有力な武将が名を連ねている。
 それに対して、九戸城に籠もる兵はわずか五千。しかし、度重なる猛攻撃にもかかわらず九戸城は落ちる気配すらない。その五千は九戸党と呼ばれる南部家の精鋭部隊であり率いる将は、九戸政実その人である。
 著者は『火怨』『炎立つ』など東北を舞台にした戦記物を得意とする高橋克彦である。入念な下調べに時間を費やし、史実に基づきながら描かれる壮大な作品は読むものの心をうつ。中でも、政実と津軽為信との交流は非常に興味をそそられる。
 政実は南部家きっての名将であり、彼が率いる九戸党は、精鋭部隊として知られている。彼らに反旗を翻された南部宗家の当主、南部信直は自力での鎮圧を諦め、秀吉の力を頼るのである。それに簡単に応じた秀吉はすでに天下を統一したつもりであり、政実の決起も小規模な「反乱」が一揆に毛が生えたもののように感じていたようである。
 しかし、政実の意識は違っている。彼の中ではまだ天下の趨勢は決定しておらず、実力で国を切り取りしていける状況だと考えている。また、自身の故郷である東北地方が、他の地域の人間に席捲されるのが我慢できないのである。
 なかなか落城しない九戸城を前に、総大将氏郷の焦りは増していく一方である。籠城兵の何倍もの兵力を率いていながら、城を落とせないとなると、自身のプライドが傷つけられるばかりでなく、責任問題にも発展しかねない。そこでとられた方法がなんと「だまし討ち」である。主立った将、数名の切腹と引き替えに、城兵および女、子どもを助命すると持ちかけ、開城させた九戸城に火をかけ、皆殺しにしてしまうのである。ところが政実をそれを察知しており、城に籠もっていた多くのものを時間稼ぎをしている間に逃がすことに成功している。しかし、最後まで政実について行ったものも少なくないのである。
 政実に同心した将たちも彼の心意気に打たれたに違いない。今、現在の日本を生きる我々に、政実の半分でもよいので気概があれば、日本もだいぶよい方向に変わっていくのではないだろうか。「心にいつも九戸党」である。


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