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○0438『のぼうの城』(上・下)

『のぼうの城』(上・下)
著者名:和田竜 出版社:小学館文庫 文責 国語 坂本幸博

 近年、「歴史ブーム」であるといわれている。若い女性たちまでもが、歴史上の人物に興味・関心をもち、書籍を求めたり、ゆかりの地を訪問したりしている。そうした中で、これまであまり注目されてこなかった武将や戦いなどにもスポットライトが当てられている。
 当該図書はそうした流れの中で世に登場している。1590年、豊臣秀吉が大軍を率いて、関八州の覇者である北条一族を服従させるために出兵する。その際、北条氏に属する関東の豪族たちも豊臣軍の攻撃を受け、その居城を次々と攻略されていく。その中で、唯一落城せずに豊臣軍の攻撃を退け続ける城があった。その城が、この小説の舞台である「忍(おし)城」である。
 忍城を攻略するのは、石田三成、大谷吉継、長束正家といった秀吉子飼いの武将たちが率いる2万3千の大軍である。守備側は、成田氏当主、成田氏長の叔父である成田泰季が城代として守っていたが、開戦直前に病死してしまう。そして、泰季に代わって城代となったのが、成田長親である。籠城軍は総勢わずかに3千。
 長親は、その風体や言動から「のぼう様」と呼ばれている。「のぼう」とは「でくの坊」の略である。長親は、家臣たちのみならず、領民たちからも、親しみとからかいの情をもってそのように呼ばれている。
 その長親に城代がつとまるのか。誰もがそう思っていた。しかし、長親が守る忍城は度重なる豊臣軍の猛攻に耐え続けるのである。力責めでは埒が明かないと判断した、攻撃側の総大将三成は、周辺の地形を利用して水攻めを行うことを決定する。三成は巨大な堤防(石田堤と呼ばれる)を築き、水攻めは大成功をおさめる。籠城側は日に日に増していく水かさに苦しむばかりで手のうちようがない。その時、長親が考えられない行動に出るのである。
 当該図書では、戦国時代随一の姫武者、また関東一の美貌の持ち主として名高い甲斐姫の活躍が他の小説とは違った形で描かれている。甲斐姫の魅力は、その美貌や戦の腕前だけでなく、心根や気概にあると改めて思い知らされるのである。
 また、攻撃側の三成に対して、正当な評価を与えていることも興味深い。江戸時代を通じて、徳川家康に刃向かった三成は意図的に過小評価されているのであるが、この作品では、そのような見方をしていないところも注意して読んでほしい。


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