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○0450『国家の品格』

『国家の品格』
著者名:藤原正彦 出版社:新潮新書 文責 国語 坂本幸博

 「品格」とは何かという疑問に対して、即座に正確に答えることのできる人はどれだけいるのであろうか。礼儀、思いやり、など人間が生きていくうえで非常に重要なものであることはたしかであろう。著者の藤原正彦はそれを「国家」に求めているのである。つまり、国家が品格を持たなければ、その国民は品格を持ち得ないのである。
 藤原が最重要視していることは「情緒力」である。現在の日本では「論理的」や「効率的」ということが重要視されており、「情緒」というものはかなり軽視されている。結果、「情緒力がなくて論理的な人物」が跳梁跋扈しているのである。藤原は「そうした人物こそが最悪である」と一刀両断している。その理由として、仮にその人物が謝った出発点を選んでしまうと、後の論理を間違えない分、結論は絶対的な誤りになる。あまり論理的でない場合は、途中で二転三転し最後によい結論に戻ることもあるが、頭はよくても、出発点を選ぶ情緒が育っていない人物は自分を疑うこともなく、謝った理論を展開し続けるからだと述べている。
現在、先進国と呼ばれる国にはこうした人々がとても多い。そして、こうした人物であればあるほど、国家の中枢を担う立場に付いてしまうのである。こうした人物の悪い点は、理論的に話が展開されるため、周囲の人はその「外見のかっこよさ」にだまされてしまうことであろう。それが政治家や官僚であればもうその国は終わりである。
 それでは、「品格」を育てるためにはどうすればよいのであろうか。藤原は「美の存在」「跪く心」「精神性を尊ぶ風土」の三つを条件として挙げている。そして日本は、その条件を満たしていると述べているのである。しかしながら、残念なことに現在の日本は「品格」を失っている。いや、現在ではなく、戦後の高度成長の中で、長い年月にわたって失ってきたのではないだろうか。
 藤原の話は、以前、書評で紹介したエチ先生こと橋本武と重なる部分がかなり多い。また、儒教の始祖であり、論理性を重要視した孔子も弟子に「人にとって最も大切なことは何か」と問われ、「それ恕か」と答えている。孔子は「仁」よりも大事なものとして、「恕」を挙げているのである。彼らの共通点にこそ、最も大切なものが隠されている。
最後に藤原のことばを一つ紹介したい。
「最も重要なことは論理では説明できない」
蓋し名言である。


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