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○0486『銀の匙』

『銀の匙』
著者名:中勘助 出版社:角川文庫 文責 国語 坂本幸博

 人はだれでも自分だけの少年時代(ここでの少年は男性のみを指すわけではない)の記憶をもっているであろう。当該図書は作家、中勘助が明治の東京下町を舞台に、心身ともに成長していく少年の姿を描いた自伝的小説である。
 夏目漱石が絶賛し、東京朝日新聞社に推薦文を送ることにより、はじめは新聞連載の形で世に出ることとなる。そこでの評価は「珍しさと品格の具はりたる文章」「純粋な書きぶり」というように非常に透明感あふれるものであり、それが読者の心を捕らえずにはおかなかったのである。
 明治時代をその舞台としながら、その内容は決して色あせてはいない。私は昭和50年生まれであるが、当該図書で述べられている、駄菓子や伯母さんとの遊びの部分は、全く同じものが存在したわけではなかったが、非常に懐かしさを伴ってイメージすることができる。私が小さい頃には大きなスーパーマーケットはそれほど多くはなく、近所には小さな商店や駄菓子屋が普通に存在した。また、ゲームのような遊び道具が充実していなかったことから、「ごっこ遊び」であったり、自分たちで「遊びを作る」ということを自然にやっていたのである。
 河盛好蔵は「年少の時にこの小説を読まなかったものは、情操教育において欠けるところがあるといっても過言ではない」とまで述べている。これまで当該図書を繙いていない人はぜひこの機会に触れてほしいと切に願うのみである。以前、書評で取り上げた「エチ先生」こと橋本武が「奇跡の授業」で扱ったのはこの小説である。当該図書を読まなければ、本当の「橋本流」を理解したとはいえない。橋本流に感銘を受けた人は、当該図書に触れない限り「偽物」になってしまう。
 最後に、成長した主人公の少年が、目の不自由になった伯母さんに会いに行く場面は、この作品において最も美しい部分である。ぜひ刮目して読んでいただきたい。

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