ToO Gijuku Topics(東奥義塾)
東奥義塾高等学校 公式ブログ

○0552『日本語の歴史-青信号はなぜアオなのか-』

『日本語の歴史-青信号はなぜアオなのか-』
著者名:小松英雄 出版社:笠間書院 文責 国語 坂本幸博

 筑波大学で研究者として活躍し、2011年現在まで、研究活動、教育活動に精力的に携わってきた筆者が、日本語の歴史にさまざまな視点からメスを入れた意欲的な著作である。
 私も学部生(4年次)時代に、集中講義ではあるが、直接に教えを請う機会を得ることができた。当時すでに高齢であり、体調もよくなかったようであるが、非常に闊達に生き生きと講義されている姿が今でも目に浮かぶ。その後、院生(博士)時代に学会等でお会いする機会が何度もあった。その度ごとにさまざまなお話を伺い、ますます尊敬の念を深くしたように思う。
 筆者の「当たり前とされていることを疑ってかかる」というスタンスは、日本の研究者に一番欠けているものであり、この部分が改善されるだけで、どの分野でも一気に研究水準があがると思われる(もちろん高い水準で研究されている方は数多く存在する)。
 当該図書では、日本語の語彙の構成を借用語から捉えたり、また、音便形の形成や係り結びの働きなど、高校教育の場においても重要とされることが述べられている。特に音便形や係り結びの部分は高校の国語教員は必読である。国語科の教員は、自分たちが「思いこんでいること」が、いかに危く、根拠に乏しいかということをよくよく理解する必要がある。
 さて、当該図書の一番の「目玉」は、副題にもあるように、色彩語の問題である。我々が「アオ」と呼んでいる色の中には、明らかに「アオ」でないものが含まれている。青信号は「ミドリ」であるし、「青い顔」の「青」は、「ブルー」でもなければ、「グリーン」でもない。このような問題は「アオ」に限ったことではなく、「赤い蜜柑」は赤(レッド)ではないことも同様の問題である。
 なぜ、日本語では色彩語のそのような用法が許されるのか。その色の表す範疇はどこまでなのか。そういうことを「考えながら」読むことは、我々自身を鍛えることにもつながる。
 当該図書の著者は、徹底して用例から結論を導き出しているが、そのベースにあるものは「日本語は古代から連綿と受け継がれているものであり、現代日本語話者の感覚は大事にしなくてはならない」という考え方である。中学や高校で習った古典語が現代の日本語と同じであると聞けば、多くの人は「そんなばかな」と思うであろう。しかし、そうした人ほど、ぜひ一度、当該図書をそうした視点で眺めてみてほしい。


最新記事
学校所在地
036-8124               青森県弘前市石川長者森61-1  東奥義塾高等学校 TEL:0172-92-4111 FAX:0172-92-4116

東奥義塾

Author:東奥義塾

AKB48の渡辺麻友の3rdシングル特典DVDに本校制服が!!

この公式ブログが「あおもりICTコンテスト2010(学校Webサイト部門)」で「最優秀賞」!!

東奥義塾個人情報保護方針→こちら

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

05月 | 2017年06月 | 07月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -