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○0575『自閉症だったわたしへ』

『自閉症だったわたしへ』
著者名:ドナ・ウィリアムズ 河野万里子訳 出版社:新潮文庫 文責 理科 井上嘉名芽

 世界で初めて自閉症者の精神世界を内側から描いた本書は、十数カ国語に翻訳されて世界的ベストセラーとなった。
 「自閉症」という言葉を耳にすることはあるのだが、その実態を知っているわけでない。ただ漠然とその言葉を理解しているだけであったのが本音である。本書を読み進めるにつれ、今まで第三者からの「見立て」で説明されていた「自閉症」の世界が筆者によって明らかになった大変意味のある本である。すぐに自閉症の症状や応対方法を知りたい方は先に「エピローグ」や「訳者あとがき」を読むと良い。ここを先に読んだために本文を読むことに楽しみが半減することはない。むろん本文は時々場面が飛んでいて、つながりが理解しがたいところはあるが、自閉症者の内面を赤裸々に表現しているのだろうと感じ取れる。
 自閉症についてはまだ分からないことが多いのだが、親の育て方に問題があったのではなく、胎児期や乳幼児期に生じる脳の発達障害による物だと言われている。また、自閉症の人は必ずしも社会生活が出来ないほど障害があるわけでもなく、一般的にほとんど何の問題もなく能力を発揮できる分野もある。だが、人とのやりとりや人間関係の構築が困難である。また、話し言葉の理解も苦手である。そのため、耳が聞こえないのではないかと間違えられることが多いが、聴力テストは正常なのである。無反応であるのは、言語理解の発達に著しい遅れがあるためだと判明した。また、本書で著者が幼少の頃、言語がコミュニケーション手段だと認識していなかった話している。動作が自閉症者の言語であると述べている。例えば「繰り返し物を落とすこと」、「飛び降りること」、「頭を打ち付けること」、「手をたたくこと」、「紙を破くこと」などが「わたしの世界の言葉」と詳説している。
 さらに著者自信が自閉症特有の言語の遅れを取り戻したのは、「お話のレコードやテレビのコマーシャルを繰り返し聞いたことが、ことばの発達に大きくつながった」と説明している。また、「一言もしゃべらない子供をお持ちの家庭には、歌を作ることが言葉を発する大きな助けになるかも知れない」とアドバイスしている。
 本書は自閉症者本人による自分の細かい心情的・行動的観点から詳説してある大変貴重な本である。


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