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○0605『図解雑学 原子力』

『図解雑学 原子力』
著者名:竹内敏一 出版社:ナツメ社 文責 理科 井上嘉名芽

 本書は現在絶版となっている本だが、今回の震災を受けて電子書籍としてiPhone/iPad向けに無料配信を行っている。原子の構造から原子核反応の仕組み、放射線・放射能、原子力発電の仕組みなどを簡素な形で図解解説がなされている。原子力の事を知りたい場合は、大変有効な書物となるだろう。
 原子力を生じさせる核反応とは正確には「原子核反応」のことで、原子核が起こす反応を総称したものである。一番わかりやすい例はウラン235の原子核に中性子が当たって、原子核が分裂して巨大なエネルギーが発生する反応で、我々はこの反応をコントロールして発電などに利用している。
 ~ちょっとこわい話~ 
 放射線が細胞内のDNAにあたると、DNAにある分子の持つ電子がはじき飛んで電離を起こしたり、放射線を分子に取り込んで別の分子に変化したりする。この結果、元は1つの鎖であったDNAが切れたり、配列がずれたりすることで遺伝情報に欠陥が生じ、突然変異などの影響を及ぼすことがある。この他、生体中の水分子を分解して、反応を起こしやすい物質(ラジカル)を作り出し、DNAを傷つけることもある。幸いなことに、DNAには自己修復機能があり、大部分の場合はDNAは元の状態に修復される。しかし、損傷が完全に修復されずに残ると、細胞分裂によって異常細胞が増え、さまざまな障害が出てくる。このとき、細胞分裂が盛んな骨髄の造血細胞、生殖器、腸管、皮膚(特に毛髪)などは影響を受けやすい。放射線を浴びると毛が抜ける、という俗説はかなり的を射ている。一般的な症状としては、造血機能障害、消化管障害、皮膚の炎症や潰瘍、免疫力の低下(白血球の減少)などが現れる。また細胞分裂が激しい胎児への影響は、大人よりもはるかに大きい。このため、放射線障害防止法では、妊娠可能な女性や、妊娠中の女性の腹部に対してより厳しい制限値を設けている。このようなDNAの損傷は、放射線に限らず、さまざまな化学物質によっても生じる。このため、前述した症状が見られたからと言って、必ずしも放射線障害であるとは断定できない。また、放射線障害には潜伏期があり、障害が何年も経過してから出ることがあるので(脱毛で数週間、癌で数年以上)、放射線障害を特定することを困難にしている。
 ~放射線は薬かも~ 
 一般に、放射線は少量であっても人体に有害なものであると考えられている。しかしこの考え方とは対照的に、「少量の被曝であればむしろ生理的な刺激となり有益な効果となりうる」という考え方もある。もともと生体にとって有害だった酸素を呼吸という形で、うまく利用する機構を生物が持ち得たことと同様に、自然界に存在する少量の放射線をうまく利用する機構を生物が持っていると考えてもおかしくないのである。多量であれば有害だが少量の場合には生理的な刺激となり有益である、という効果をホルミシス効果と呼ぶ。ホルミシス効果が放射線によってもたらされる場合、これを放射線ホルミシス効果と呼ぶ。少量であれば有益だが、多量になると有害となるようなものは身近にも多い。多くの薬だけでなく紫外線(ビタミンD生成に必要だが皮膚癌の原因でもある)、アルコール、カフェインなどがその例である。これらにもホルミシス効果があると考えられている。放射線ホルミシス効果は動物実験などでは確認されつつある。ただし少量の放射線の「人体」への影響についてはまだよくわからないのが現状である。放射線の量が少量であるがゆえに他の要因(タバコなどの生活習慣・食生活など)による影響と区分しがたくなるためである。しかしながら放射線ホルミシス効果を利用した実用化技術(たとえば、最初に少量の放射線をあてることで人体を活性化させた後で放射線治療を行う技術の開発など)が現在盛んに研究されている。


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