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○0615『裁判官の爆笑お言葉集』

『裁判官の爆笑お言葉集』
著者名:長嶺超輝 出版社:幻冬舎新書 文責 国語 坂本幸博

 タイトルから受ける印象は、常識のない裁判官が発言をした信じられないことばを集めたもののように感じる。確かにそういったものもあるが、それは全体のほんの一部である。それ以上に多かったものは、我々をほろりとさせるものであったり、被告人に対する痛切な祈りであると感じられるものである。
 特に印象に残った章は「第六章 泣かせますね、裁判長」と「第十章 頼むから立ち直ってくれ」である。これらの章段を読むと、タイトルから受けた印象とは逆に、裁判官も我々一般人と何も変わらないのだという印象を持つ。それが真実なのであろう。裁判官だって人間なのである。今回は、当該図書に書かれていたそのことばを紹介してみたい。

・今、この場で子どもを抱きなさい。我が子の顔を見て、二度と覚醒剤を使わないと誓えますか。
・裁判所としても息子さんが心配なので、できるだけ軽い刑にしました。まじめに務めればさらに早く出られます。国に帰ったらいいお母さんになって。
・子どもに障害があろうと、親には養育する責任がある。それを放棄したのは大きな考え違いです。一人の考えには限界があるから、今後は一人で悩むより、自分の弱みを見せて、人の力を借りるという生き方を考えてみてください。
・母親の愛情は海よりも深いといいます。このことばをかみしめてください。
・子どもはあなたの所有物ですか。社会全体の宝でしょ。

 皆さんはこの「お言葉」をみてどのように思うであろうか。私と同じ感慨を持つのであろうか。上記のことばもすばらしいが、それ以上に私の心を打ったのは、次のほんの短いことばである。

・もうやったらあかんで。がんばりや。

 この裁判官は、被告人が退廷するときに、一段高い裁判官席から身を乗り出し、被告人の手を握りながらこのことばを言ったそうである。筆者はその様子を「その時、40センチの段差が埋まった」と表現している。その瞬間、被告人はその場に泣き崩れたのである。この被告人は育ち盛りの二児の母親であり、家出した夫の借金まで抱え込み、追い詰められた末に、スーパーで万引きを繰り返していたのである。その判決は、執行猶予・保護観察つきの有罪判決となった。当該事件の裁判官は、かつて二度、「求刑が軽い」として求刑を遙かに超える判決を出したことがあるそうである。また、ある公判では、冒頭陳述において、被告人の前科や前歴の有無を記載しないように指示したこともあるとのことである。「罪を犯した過去」と「本件を犯したかどうか」は本質的には無関係だという考えなのであろう。偏見や先入観を取り除くという、その志は我々も見習わなくてはならない。裁判官を世間知らずと笑うことが、本当にできるのであろうか。
 年甲斐もなく涙を流した箇所が少なからず存在した。当該図書を読む前の自身の不明を恥じるばかりである。


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