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○0642『ことばの宇宙への旅立ち-十代からの言語学-』

『ことばの宇宙への旅立ち-十代からの言語学-』
著者名:大津由紀雄編 出版社:ひつじ書房 文責 国語 坂本幸博

 私は大学、及び大学院で言語学(日本語学を中心に)を学んできた。こういう話をするとよく「何ヶ国語も話すことができるのか?」と質問される。その度に、言語学とはいわゆる「語学」と違い、言語の構造や成り立ち、体系を研究することだと説明するが、なかなか理解してもらえないことが多い。当該図書はそのように一般的にはなじみの薄い言語学に、10代のうちから興味を持ってもらうためにはどうすればよいかということを考えた言語学者たちによって書かれたものである。
 著者の一人である上野善道は弘前大学、金沢大学、東京大学で大学教員、研究者として活躍し、現在は独立法人国立国語研究所に所属する日本でも有数の言語学者である。主たる専門領域は日本語諸方言のアクセントであり、津軽もそのフィールドの一つとしている。私は大学時代、集中講義ではあるが直接指導を受ける機会に恵まれ、研究を志してからも、学会や研究会等で大変面倒を見ていただき、現在もそうした関係を続けることができている。上野の執筆箇所のタイトルは「母は昔パパだった、の言語学」であり、タイトルからして読み手に興味を持たせる工夫がなされている。
 英語に興味をもち、英語を勉強するために英文科に進もうとしたとき、高校の教員が「英語ではなく言語学をやれ」といったことや、東大の専門課程に進んだときに服部四郎から「日本語が一番わかる。母語が一番いい」といわれたことなどが、当時の述懐を含めて非常に興味深く書かれている。節目節目に高く広い視点からのアドバイスを得られるすばらしい繋がりが、不思議な縁を感じさせる。
 上野が若者に期待することは何にでも好奇心を持つことであるという。高校生はもちろん、大学生にもあらゆる物事に興味関心をもって、それを探求することで成長してほしいと考えている。
 私が研究対象としている言語は、母語である津軽方言である。さまざまなことを悩み、考えながら取り組んできたが、当該図書に出会い繙くことで、自身の励みとすることができた。言語学に対する興味関心の有無にかかわらず、若者たちに読んでほしい一冊である。

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